肌のためになってる?「肌の過保護」を考える

ここ10〜15年くらいでしょうか?
肌への刺激を極端に避けることが、何だか美容界の常識のようになっています。
石鹸はよく泡立て、きめ細やかな泡でなでるようにやさしくやさしく洗顔。
化粧水はコットンでやさしくやさしく入れこむ。
下手なマッサージをするくらいなら、しないほうがいい。
肌をこすっては絶対ダメ。
などなど…。
確かにお肌は乱暴に扱ってはいけないし、丁寧に扱うべきです。
が、本来なら私たちの肌は、そこまで弱くはないはずなんです。
そう。一昔前までは、こんなに神経質ではなかったです。
マッサージだってセルフケアの定番でした。
それに、やさしく保護するだけでは肌の健康を保つことはできないんですよね。
刺激を与えずに大事に大事に過保護にしていると、肌は厚ぼったくなったりします。
大事に栄養を与えれば「不全角化」の原因になります。
「健康な肌」であれば、適度な刺激はむしろ肌を活性化させます。
ターンオーバーの手助けしてくれます。
「健康な肌」であればです。
つまり、今は「健康な肌」の方がどんどん減っているということなのでしょう。
若くても肌の健康を損ない、乾燥肌、敏感肌で悩んでいる方は多いです。
そして、それだけ肌にダメージを与える化粧品が増えたってことでもあります。
クレンジング剤や洗浄剤に入っている合成界面活性剤で、バリア層が緩み、もろくなっている方が多いのです。
(それが元でダメージになっていることが分からないよう、保湿剤が入っているのですが…)
大雨で地盤が緩み、もろくなっている時に地震が起こると、土砂崩れの被害が起こりやすいです。
合成界面活性剤で緩んだバリア層に刺激が加わると、バリア層は崩壊してしまいます。
というわけで、肌を過剰にやさしく扱うよう啓蒙がなされるようになったと思われます。
残念ながら多くのメーカーさんは、肌に負担をかけない商品を作るという選択は、なかなかしてくれません。
作る方も使う方も手軽なだけに、肌を弱める化粧品がスタンダードになってしまっていますね。
化粧品も美容情報もあまりにありすぎて、その中から選ぶことは大変です。
しかし、合成界面活性剤や人工ポリマーの使用を最小限に抑える、肌の奥にしみこまないもの、というのを軸にすれば「健康な肌」に近づきます。