最高の天然クリーム「皮脂」の重要な4つ働き
基礎化粧品のクリームは皮脂を再現したものでしかありません。皮脂の代用品です。
実は自分の皮脂腺から分泌された皮脂こそが、肌にとって最高の天然クリームなのです。
皮脂は毛穴の内部にある皮脂腺からお肌の表面に分泌。
少量の汗とともに肌表面で膜状に広がり、皮脂膜というものを作って肌を守ります。
若い内は皮脂分泌が旺盛です。
テカリや化粧崩れの元となり、何だか邪魔者扱いされがちでもありますよね。
ところが、女性は23、24歳を過ぎたあたりから極端に皮脂の分泌が減少します。
いわゆる「お肌の曲がり角」というやつです。
その年頃になると、肌へ油分を補う必要性を実感する人がグンと増加します。
皮脂が足りない分を、クリームなどの基礎化粧品で補い、皮脂膜の代わりとします。
皮脂膜はどんな働きをして肌を守っているのでしょうか?
その重要な働きは4つ。
- お肌の乾燥を防ぐ
- お肌の柔軟性を保つ
- 外からの刺激から肌を守る
- 細菌や病原菌などの繁殖を防ぐ
1. お肌の乾燥を防ぐ
肌の乾燥を防ぎ、角質の水分をキープしてくれます。
2. お肌の柔軟性を保つ
角質の柔軟性を保ち、お肌が弱まっている時でも簡単に崩れたりしないよう、しなやかにしてくれます。
3. 外からの刺激から肌を守る
異物などが皮膚内へ進入するのを防ぎ、紫外線や気温、湿度など、外部からの刺激から肌を守る働きがあります。
メイクも刺激となります。
4. 細菌や病原菌などの繁殖を防ぐ
お肌の表面には、常在菌と呼ばれる善玉菌がたくさん住んでいます。
この常在菌は、皮脂をエネルギー源としています。
常在菌が皮脂を分解することで、お肌の表面は弱酸性に。
肌は弱酸性に傾くことで、酸に弱い細菌や病原菌などの繁殖を防ぐことができます。
皮脂の代用となるクリームの選び方
これらを踏まえると、使用するクリームはできるだけ皮脂に近いものを選ぶことがおすすめですね。
●分解できる油でできているもの
肌は常在菌が皮脂を食べてくれることで酸性に保たれるため、皮脂の代用であるクリームも常在菌のゴハンになりうる油、分解できる油でできていることが大事です。(腐る油ともいえます)
人工ポリマーのクリームは肌をツルッと綺麗に見せてくれてくれますが、人工ポリマーは腐ることのない成分なので、残念ながら常在菌は食べてくれません。
●色んな油が混じっているもの
皮脂は複雑。
一つだけでなく、多種類の常在菌を育てる必要があります。
そういう意味でクリームはバランスよく色んな油が混じっていることが重要です。
また使い心地の良い、水分多めのクリームや乳液より、水分量が少ない固めのものがおすすめ。
水分と油脂を混ぜ合わせるための界面活性剤が最小限に抑えてある可能性が高いからです。
固めのもの少量を薄くのばして使用します。
クリームの正しい使い方
クリームは必要以上に使用しないことも大切です。 皮脂を出す働きがどんどん弱められてしますからです。(廃用性萎縮)
夜はクリームをたっぷり使いたくなってしまいますが、睡眠中は外からの刺激も少ないので、できるだけクリームの量は控え目にしてください。
なるべく自分の皮脂を分泌させるようにしたいものです。