太極拳で一番大切なこと「鬆(ソン)」
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「鬆(ソン)」
太極拳の稽古要諦にはこの文字がよく出て来ます。
太極拳では最も大切なことらしい。
「鬆」に関して、私の師匠の説明は次のようなものです。
- 髪のようにふんわり。松ぼっくりのように芯(根)のところはしっかり。
- 真綿にくるまれた芯。
- 筋肉ではなく、筋をしっかりと。皮や骨はくっつかずふんわりと。
- 松葉のように根っこで止まっているけれども、先の方は自由に。
芯はあるが、よけいな力の入っていない、リラックスした柔軟な状態 ということでしょうか。
私は過去フラメンコを習っていたせいで、筋肉をキュッと締めてポーズをとる癖が、なかなかとれませんでした。
「オーレイ」って感じになってしまうという…。
これは「鬆」ではないですね。
「鬆」ができるようになると、柔らかい動きになる ということです。
太極拳を長く学んでいる先輩方が、自分にはない佇まいを持っているのは、「鬆」になっているか否かということが大きいのではないかと思っています。
ようするに私は無駄な力が入ってる…。
私が習っている太極拳は楊式で、健康のためのものですが、そのルーツはその名前が示す通り『拳法』にあります。
「鬆」であれば相手(敵)の動きを敏感に察知することがきる。
しかし自分の動きは相手に悟られにくい ということらしい。
今でも、ふと力が入っていたりするので、普段の生活から「鬆」を意識するようにしています。
特に歩いている時。
そうしたら気づきました。「鬆」だと体がラク(笑)
よけいな力は「気」の通路である経絡の障害物になります。
「鬆」であれば「気」が流れやすくなるということなのでしょう。